生まれて初めての寄席は上野鈴本演芸場 はなしかの手ぬぐいは、その時買い求めたもののはず。
お目当ては、まだ2つ目だった春風亭一之輔師匠。
東京で働いていた長男と待ち合わせて、見た目は寄席とは思えないビルのエレベーターに。
立て前座さんが
「携帯電話の電源を切ってくださいね 切り方が分からなければ、お任せ下さい。
水に沈めてなんとかします。」
その様子を見ていた長男が
「あれ?亀ちゃん?亀ちゃん、ホントに落語家になってたんや!」
聞けば、長男は大学院に
落研所属だった亀山くんという同級生は 落語家になるといいつつ部卒で卒業。
その後、連絡を取り合うことはなかったモノの、3年後に偶然であったということみたい。
追い出し太鼓のあと、少し立ち話。
いつか京都でも落語会をしてね と別れてから10年。
2つ目になるまで故郷の愛媛に帰ることもなく頑張った入船亭ゆう京さん
晴れて2つ目となり ゆうの字を遊に変えての 入船亭遊京へ
そして今秋、真打ち昇進を果たし、入船亭船白となる運び
満を持して 学生時代を過ごした京都での凱旋公演を打つこととなったんです。
京大落研も全面サポートするなか、馴染のある京都府立文化芸術会館2F和室での興行
すぐに予約を済ませて 楽しみに待つ日々を過ごしておりました。
初めての高座 想像の遥か上でした
最前列に陣取り まずは京大落研現役部員 五代目笑仲(しょうちゅう)さんが前座を務めます。
過去に町内会の催し行事として京大落研の1年生と2年生のお二人をお呼びしたことがあるので
それを前提に どんな感じなんだろ? と
演目は「田楽喰い(ん廻し)」 言い立てのあるお話ですが淀み無く、滑舌良く、少々驚きました
追い出し時に再会した笑仲さんは、高座の印象より小柄。
それって、既にオーラがあるということなの?
お待ちかねの遊京さんの高座
後輩の出来栄えを褒めながら 短めの枕から「船徳」
2つ目時代に中国へ渡ったエピソードを枕に挟んでからの「うなぎの太鼓」
どちらも よく高座でかかるネタなのに なぜか新鮮に聞こえます。
あ!そうか!
遊京さん、声が良くて、節回しが良い。 歌がお上手。
だから、時々、若旦那が小唄を歌うんだ。
それが良いアクセントになってるんだ。
少し高めの声質なので、やくざ者っぽい威勢のよい声色も、老若問わず女性の声もハマる。
比較するのは畏れ多いですが、それって名人桂米朝さんに通じるモノだと感じました。
また体幹が強いのか、船徳を演じるときの様子がダイナミック
といっても座布団をはみ出すことはない躰の使い方は、普段の生活が見えてきます。
入船亭扇遊師匠 入船亭扇辰師匠の影響もあるのでしょうか。
休憩を挟んで 最後は「唐茄子屋政談」
さすがは真打ち昇進を控えての高座だけはある
覚悟の決まらない若旦那も、心根を訴える若旦那も見事でした。
有望 まさにそのコトバがピッタリだと思いました。
いつか京都でも定演となる日が来ますように。
会場では、そのまま打ち上げが行われるようですが、
おそらく、たくさんお見えになっていた京大落研OBの方々を中心になるでしょう。
出口先で、この先の健闘を祈りますとお伝えし、その場を後にしました。
良い日だった。
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購入金額
3,000円
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購入日
2025年06月08日
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購入場所
前売り
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