元々Y!mobileで購入したiPhone 12(ソフトバンク認定中古)をモバイルルーター代わりに使っていました。
これは購入時点でバッテリーヘルス89%とややくたびれた状態でした。それでも出先でのモバイルルーター代わり以外の用途はほぼ無いため、これを約1年半使ってきたわけです。
しかし、最近では仕事先で2時間程度使っただけでバッテリーが1/3程度減ってしまうほどバッテリーが劣化していました。これ以上劣化してしまうと買い替えようとしてもiPhoneならではのリセールバリューが期待できなくなります。そこで買い換えを考えていました。いや、実は買い替えていました。
Y!mobile公式ストアで機種変更時のiPhone 13(これもソフトバンク認定中古)が安くなっていたため、取り敢えずこれを購入したのです。これについてはまた後日別の機会に取り上げます。
ところがこの時期、iPhone 16eの発売に合わせたのか、Apple公式オンラインストアで値引き販売ではないものの、古いiPhoneの下取りが大幅に増額されるセールが実施されていました。これで機種変更で浮いたiPhone 12のデータを入力すると下取り額が35,000円だというのです。これを活用すれば発売されたばかりのiPhone 16eが一括価格で64,800円になります。
iPhone 12は前述の通りバッテリーがくたびれていますから、このまま置いておいても予備端末としては活用しにくいものがあります。そこで下取りを活用してiPhone 16eを買うつもりでいました。
それが何故結果的にその上位となるiPhone 16を買ったのかといえば、iPhone 16e発売時に各所のレビューを読んでいると、どうやらApple内製のモデムC1の完成度があまり高くなさそうだと感じたことが原因です。
普段仕事先は構造的な問題で携帯電話の電波があまり強くなく、キャリアによってはギリギリ繋がる程度まで落ち込むことがありますし、これまで使ってきたY!mobile(ソフトバンク)も5G対応エリアでありながら4Gでしか通信できないということで、Apple C1が苦手そうなシチュエーションだと思ったわけです。そうなると従来型のモデムを搭載したiPhone 16の方が無難かなと判断して、結果的にこちらを購入することになりました。
下取りを活用した購入ですが、取り敢えず購入を確定すると普通通り商品が届きます。その後数日おいて下取り品を配送業者が回収に来ますので、下取り品(この場合iPhone 12)を本体のみ渡すと、その場で専用箱に梱包されて回収されて行きます。
そして回収された本体が回収業者に渡ると、その数日後に査定結果が通知されます。今回は支払い方法としてペイディあと払いプランを利用しましたので、査定金額がペイディの総支払額から減算される形となります。私のiPhone 12は傷や打痕は多少ありましたし、バッテリーも明確に劣化していたのですが、査定結果は満額の35,000円でした。iPhone 16の総支払額が税込110,000円を超えるとちょっと面倒だなと思っていたのですが、満額査定ということで税込89,800円で購入できたことになります。
さて話をiPhone 16に戻して届いた本体を確認してみます。
本体色を判りやすくするという意図があるのかも知れませんが、箱の表面は本体の背面側が印刷されているという何とも言い難いデザインです。
箱の裏面にはシリアル番号やIMEIがラベルで貼付されています。
蓋を開けると箱の表面そのものというという体裁で本体が収納されています。
iPhone 15以降の本体ということで、添付されている接続ケーブルはUSB type C向けとなりました。ケーブル自体も皮膜が編み上げとなっていてLightning時代とは随分印象が異なります。
端末を重ねるだけでほぼ全て移行
実質的にはiPhone 12からiPhone 16への移行なのですが、実際には数日だけiPhone 13がこの間に入っています。とはいえiPhone 12 → iPhone 13も、iPhone 13 → iPhone 16も手順としては変わりません。
初期化されたiPhoneを起動すると、設定の方法を選択する形となりますので、旧端末からの移行を選択すると新旧の端末を重ねるように指示が表示されます。あとは指示があればそれを実行しつつ移行を待つだけで、ほぼ従来通りの環境が新端末に構築されます。
近年はGoogle Pixel等でも同じような環境移行が可能となっていますが、これまではPCかiCloudを経由しての移行が必要だったことを考えると格段に手軽になりました。
最初に少し操作をすれば、あとは放っておくだけで環境構築されるというのは有難いところです。
Pro系と比較すると落ちる部分は多いが、必要十分ではある
私はスマートフォンのカメラにそれほど多くを求めるわけではなく、カメラ部分の仕様差はさほど気にしていませんでした。
ただ、気になる部分だけを抽出して比較しても、iPhone 16 Pro / iPhone 16 / iPhone 16e の間には決して小さくはない差があることは問題でした。
仕様から見ればiPhone 16 Pro一択なのは間違いありません。特に気になるのはリフレッシュレートの違いで、実際SoCのパワーでは明確に劣っている、現用のiPhone 14 Proの方が、iPhone 16と比べて画面表示はスムーズに見えるのです。これは最大リフレッシュレート120HzのProMotion対応が大きな理由でしょう。
またUSBの速度の違いも明らかであり、この辺りを気にしてしまうと選択の余地はありません。ただ、私は自営業ですので税別10万円を超える買い物には慎重にならざるを得ない(資産計上しなければいけなくなるため)ということで、購入額面がどうやってもそれを超えてしまう(下取り額込みで請求が起算されるのでiPhone 16であれば超えない)でiPhone 16 Proは断念せざるを得ませんでした。
一方iPhone 16とiPhone 16eとの間にはそれほど極端なハードウェアの水準差は無いと思うのですが、その中で精一杯16 Proの機能水準に近づけたiPhone 16と、iPhone 14レベルに留めたiPhone 16eという関係は見て取れるということで、前述のモデムに対する不安も加味してiPhone 16を購入するという選択となりました。
もし現在のメイン機であるiPhone 14 Proを買い替えるのであればデモ機上がりでも良いので何とか税別10万円以下のiPhone 16 Proの出物を探すことになるでしょう…。
Pro系統には及ばないが世代に合わせた進化はきちんとある
iPhone 16シリーズはメインメモリは全モデル8GB、SoCもCPUコア自体は全て6コアということでこの辺りの基本性能に大きな差はありません。唯一差があるのはGPUで、グレードが下がるごとに1コアずつ減っていくという形になります。
そして現用のiPhone 14 Proは当時の上位製品ではありますが、搭載するA16 Bionic SoCはフルスペックで6CPU+5GPUという構成でした。つまり無印iPhone 16とはNPU(16コア)も含めてコア数は全く同じ構成ということになります。そこでこの両機種でベンチマークテストを軽く走らせてみました。両方で共通して無難に動くテストということで、3DMark Solar Bayを実行しています。
コア数は全く同じでもコアの性能は全く違うということでしょう。リザルトには予想以上の大差がつきました。しかもテスト実行中にiPhone 16ではバッテリー消費量が1%未満であるのに対して、iPhone 14 Proでは5%も消費しているのです。これだけ大きな差がつくと実効性能にも明確な差が生じているはずです。
それでも通常操作でiPhone 14 Proが非力に感じられることはまずないのですが…。
Siriの使い勝手がまるで別物に
iPhone 16シリーズ全モデル及びiPhone 15 ProシリーズはAI機能Apple Intelligenceに対応しています。
Apple Intelligenceは独立した機能というよりは、iPhoneの各機能やアプリの中にAIが結合されるという形であると考えた方が良いでしょう。
元々iPhoneには、iPhone 4S以降で簡易型のAI音声アシスタントともいえる「Siri」が搭載されてきました。Apple Intelligence対応デバイスでも依然としてSiriは存在しているものの、それ以前のものとは別物に進化しています。
実は私もiPhone 4SからiPhoneを使っていたものの、Siriを積極的に活用していたとは言い難いものがありました。Siriは所詮音声アシスタンスであるため、いちいちデバイスに向かって「Hey Siri」と呼びかけ、それから言葉で指示を言うという流れで使う機能であり、声を出せないシチュエーションや周囲がうるさい状況では使えるものではありませんでした。
しかしApple Intelligence対応デバイスのSiriは画面下部をダブルタップすることでテキスト入力ボックスが表示され、言葉での語りかけ以外にも文字入力で使うことも出来るようになりました。
そしてSiriとChatGPTが統合されているため、Siriからそのまま文章生成なども利用できるようになったというわけです。
ちょっとした実験でSiriに「iPhone 16のレビューを書いて」と指示してみました。するとChatGPTを利用するか尋ねられますので「利用する」を選択するとChatGPTで文章が生成され、Siriの回答としてそれが表示されます。次のような文章が生成されました。
「iPhone 16は革新的なデザインと最新技術を備えたスマートフォンです。ディスプレイはさらに明るく、高いリフレッシュレートで滑らかな操作感を実現しています。A18 Bionicチップは驚異的な処理速度を提供し、バッテリーの持続時間も向上しています。
カメラ機能は大幅に進化し、低照度での撮影性能が向上。特にナイトモードとズーム機能が強化され、プロフェッショナルな写真撮影が可能です。
新しいiOSは直感的な操作性とカスタマイズ性が向上しており、ユーザーエクスペリエンスをさらに豊かにしています。
全体として、iPhone 16はパフォーマンス、デザイン、機能性のバランスが取れたデバイスで、アップグレードを検討する価値があります。」
字数を指定していなかったのであまり深い内容ではありませんが、教科書通りの文章は返ってきましたね。
次に丁度蒸し暑かったので、Siriに夕飯のメニューを考えて貰いました。
こちらは割とわかりやすい質問であったためか、まずまず実用的な回答が提示されていますね。
一方で曖昧な条件で画を描いたりするのはあまり得意ではないようです。「落ち着いた色で何かPC用の壁紙をつくって」と頼んでみたのですが、出来上がりはこうなりました。
「PC用の壁紙」という部分の解釈が不正確なのか、PCを使ったデザインという形で出力されています。これはChatGPTに限った話ではありませんが、分野によって回答が正解から遠かったりどこかズレたものになったりすることはまだまだあり、「AIが言うから間違いない」という考えは現時点の水準では持たない方が良いでしょう。
それでも料理のレシピのようにかなり実用的な回答を得られる場合もあり、使い方次第ではかなり有用です。iPhoneではSiriとChatGPTが統合されたことで、特に何も考えずに使ってもそこそこ成果は得られるという所まで来ているように感じられました。
スタンダードモデルとしてのバランスに優れる
普段はこれまでのiPhone 12の役割で使っているため、スマートフォンとして十分に活用できているとは言い難い状況ですが、それでも2世代前の上位製品であるiPhone 14 Proと並べて使うことで世代分の進化は十分に感じ取ることが出来ました。
iPhone 16eであれば使っている内に細かい部分で「もう一歩どうにかならないか」と感じられそうな気がするのですが、iPhone 16は「これだけ使っていれば特に不満を感じない」というギリギリの水準を狙った作りであり、この辺りはAppleの商品構成の巧みさを感じさせられます。
とはいえ、真横にiPhone 16 Proを並べて使ってしまうと所詮は下位モデルと思ってしまうのも事実であり、予算さえ許せばiPhone 16 Proを買っておいた方が間違いはありません。
私は前述の通りスマートフォンのカメラに多くを求めないのですが、今時のスマートフォンユーザーはSoCの性能よりもカメラの出来を優先する傾向が強く、カメラ重視であればむしろiPhone 16eは選択肢となりにくく、iPhone 16 Proが本命となるでしょう。
私は元々iPhone 16eを買うつもりだったものの、予算が許したのでiPhone 16を買ったわけで、所詮携帯電話なのに高いなぁと思う部分も無いわけではありませんが、払った金額に対する満足感はきちんと感じられました。
個人的に昨今の「何でもAI」という方向性には懐疑的なのですが、Apple Intelligence程度の緩い使い方で取り敢えず様子を見るのも有りかと思います。
その意味で「全てが程々」というiPhone 16は確実かつ無難な選択肢と評することが出来るでしょう。
-
購入金額
124,800円
-
購入日
2025年03月22日
-
購入場所
Apple Store Online
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。